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理念


 幼児から小学校低学年までの子どもに体全体を使った身体活動や運動遊び(粗大運動・粗大運動遊び=ダイナミック遊び)を十分に経験させることが、その後の学校における学習能力の獲得や学校生活をスムーズに送らせる能力が身につくのです。

 また、それらが将来の就労などの社会生活がスムーズに送れるためのさまざまな能力が獲得される土台となるものです。
 ところが、これらの身体運動や運動遊びを十分に経験させるために必要な場が生活様式の変化(車社会、エレベーターやエスカレーターの普及、田・畑・広場の減少により泥まみれになって遊ぶ経験の少なさやサッカーなどのボール遊びをする場の減少など)によって、生活の中で、身体全体を使う身体活動や運動遊びが減少しています。

 通常の子どもで、このように体全体を使った身体運動や運動遊びの減少が見られています。軽度発達障がい児は通常の子ども以上に体全体を使った身体運動や運動遊びの経験することの減少が見られます。それにより算数・国語の学習につまずいたり、小学校での生活がスムーズに送れないことになります。その原因として考えられるものに次のことがあげられます。

1.こだわり・転導性・多動傾向を抱えている子どもがほとんどです。これらの子どもは遊びの楽しさ面白さを理解していないため、日頃から遊びの体験が乏しいのです。それにより、遊びの質と量が極端に少なくなっています。また、遊んでいるようでも遊びのレベルが低く遊びと言えるものではありません。

2.物・人との関わりが弱いため、本人の身のまわりにある遊具、玩具、遊べるものを遊べるものとして認識できず、それらで遊べません。

3.興味、関心の幅が狭く、家の中にある色々な興味・関心の向くものに目が向かず、それらで遊ぶことが極端に少なく、家の中での活動範囲が狭くなります。好奇心や探索活動の減少にもつながります。

4.特有の特性として「人より物」に関心が移り、物ばかりに興味関心が向き、人に向かいません。そのために親や周囲の人が語りかけや遊び相手をしようとしても、本人が関わりをもとうとしません。これらのことにより、ことばの遅れや人間関係の弱さにつながります。

5.自分勝手な思い考えが目立ち、相手にあわせようとしない子ども、又は、ゲームやスポーツなどをグループや集団で行っている時に自分勝手にルールを変えたがる子ども。このような子どもはグループ遊び、群れ遊びに参加できず孤立する傾向があります。

6.ひとり遊びのレベルから抜けられず、なかなかグループ遊び、群れ遊びに発展しないという遊びの発達の遅れがある子どももいます。

 幼児期から小学校低学年までの身体活動や運動遊び体験は、発達を支える人生初期の体験として豊かであればあるほど望ましいことです。身体活動や運動遊びが発達することは、群れ遊びや野球、サッカーといった集団遊びへの参加も可能にし、社会性の発達にもつながることが期待できます。


 そのためにも、軽度発達障がい児の身体活動や運動遊び体験に支障をきたしている上記の1から6までの問題を解決させなければなりません。

 その解決策としてNPO法人遊育・遊びを育てる会では、「ダイナミック遊び」「群れ遊び」を活用しています。




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